思ったよりも早く雨が降り出しましたね、気温も下がりましたが部屋にこもっていると、さほど気になりませんでした

 雨の日には、町が独特のにおいを発します。それも季節によって微妙に違うにおいです。昔よくあった夕立のにおいというのも、なんとなく覚えています。湿気のせいでしょうか、においが地面から立ち上るような気がしていました。実はアスファルトのにおいだったのかもしれません。

 においにつられて昔の記憶がひとかたまりになってよみがえるということがありますね。夕立に降り込められ、頭をかばうように身をかがめて急ぎ道を走っていく人々の姿や、店先に並べた野菜や果物を慌ててしまおうとする八百屋さんの姿は、決してぼやけずに思い起こすことができます。

 においだけでなく音もよみがえります。夕立の雨粒が地面に叩きつけられる音だけでなく、勢いよく窓を閉じるバタンという音や自転車がカーブを曲がる時のキキーッという音なんかです。

 今日一日、あなたはどんなにおいや音を感じましたか?