この部屋の細かい一つ一つのすべてを覚えていたくて

 本棚の傷やどこかに行ってしまったネジの跡や外れかかったガラスをテープで止めているところなどを、ぐるりと舐めるように見回しています。

 まるで記憶を無くす前触れでもあるかのようですが、なぜか部屋のあちこちが気になります。